toggle
2017-06-24

【醤油屋のせがれブログ】いざ小豆島へ!part.3




小豆島の中でビックリするくらい大きな建物があります。大きな工場が何棟も連結して広大な敷地で醤油醸造に取り組んでいるのが「マルキン醤油」さん。福田港から車で20分ほどのところにあります。

醤油造りをどのように始めたのか、現在に至るまでの歴史が見学できるマルキン醤油記念館に行ってきました。当店が取り組んでいる「古式製法」で使用している木製天秤搾り機や麹室が、昔の仕込み方法として展示されていました。



昔、機械を頼らず搾りを行う際はどの醤油蔵でもこういった天秤搾り機でもろみ搾りを行っていました。しかし、石の重みのみでしぼるため、取れ高が少なく、製品にできる量も少なくなってしまうのが難点でした。そこで、水圧でもろみを搾る機械が登場し、カスカスに水分がなくなるまでプレスし、取れ高を多くする流れになりました。しかし、余分な雑味まで出してしまう機械での搾りに比べて、天秤搾り機での搾りは緩いため、お醤油の良いところだけを抽出できるのがストロングポイントだと言えます。


醤油の製法はそれぞれ一長一短です。機械を取り入れることで人件費や労力を節約できるとともに、他の事に労力を割くことができます。しかし、時代の流れに逆らうように機械を使わない昔の製法を大切にすることで、醤油の味と共に大切な何かを伝えることができると思います。

醤油メーカーにはそれぞれの役割があります。世界中のお客様に使っていただける安心安全な醤油を作る、若者向けに発信してこれからの食文化をリノベーションしていきたい、地域のお客様の家庭の味を守り続けたい、など。

それぞれの立場で、立場に合う製法で、役割に合う醤油製品の開発を各社が行ってこそ、これからの日本の食文化の土台を支える「醤油」が残り続けていくに違いありません。これからも当店の役割を果たし続ける覚悟です。

関連記事